Hey! Say! JUMPニューアルバム「PULL UP!」リリース記念 17年目もPULL UP! いつもありがとうキャンペーン 《イベントJUMP賞》 スペシャルイベント東京公演

2024年2月21日19:00〜21:00くらい@豊洲PIT

まさかの当選をしたので、自分用に記録しておきます
抜け漏れ大いにあるので、すべてニュアンスということでよろしくお願いします……
あと一部敬称略ですお許しください

 

■DEAR MY LOVER

客席暗転からのDEAR MY LOVERでスタート
いつものワンハーフだったと思う
こんなしっかり歌うんだ!?とびっくりした
いのゆとのいつもの大はしゃぎは健在
「想像以上〜」でエアギターしながら出てくる中島裕翔さんよ
グレーのジャケットを翻すさまがさあ(中島裕翔さんが衣装の裾をさばくと萌え萌えになる会)
ところでライブハウス規模で聴く山田様の「世界中が嫉妬するほどの」の響き、天界のそれすぎた
客席もみんなちっちゃく踊ってて、ほぼ最後列から見る景色がかわいくてよかったな〜
最後のツンツンダンス、中島裕翔さんやたらキレよくてウオオになった

曲終わって立ち位置は、伊野尾・八乙女・有岡(司会)・中島・山田・知念・髙木・薮

山田「(会場が小規模かつ観客が着席してるので)なんか不思議な感じ!」
知念「みんな緊張してる?」
8人が口々に客席との近さをワーワーキャーキャー言ってるのかわいかった

一人ずつご挨拶へ
基本的には名前と「よろしくお願いします」みたいな簡単なものなんだけど、
薮「みんなの弟! 最年少! 薮宏太です!」
山田「ジジイ!!!!!」
ここ最高だった
山田様から瞬時に飛び出す罵倒と、ノーダメの薮さんからしか得られない栄養って人体には必須なんですよね

あと髙木さんが「夜だからみんな解放的になろう」みたいなセクシー挨拶をしており、後々までセクシーが尾を引いていた


■PULL UPくじ

正式名称わすれた
ひもを引っ張った先に、事前募集した質問がぶら下げてあるというくじ引きトークコーナーです(お祭りで飴つながってるようなあれです)

くじの箱が結構でかい
ちょっとした箪笥くらいあり、運ばれてきたそれに頬杖をついてスタンバイする高木雄也さんso cute
ここで椅子も出てきたかな
並び順は、有岡・髙木・八乙女・山田・(くじの箱)・知念・中島・伊野尾・薮

①髙木「『コーヒー派? 紅茶派? それとも別の何か?』」
有岡「おれブラック。で、アイスコーヒー」
髙木・八乙女・山田「「「俺も〜」」」
知念「僕もプロテインかな」(7人総出で突っ込んでいた)
中島「僕ホットですね、ブラックの」
伊野尾「なんかコーヒー係の流れあるよね」
有岡「誰かがマネージャーさんに頼むとみんな頼み始める。知念も抹茶のとか頼むんだけど、なかなか希望したやつが来ないんだよね」
知念「ラテでいいんだけど、なんか生クリームがすごいやつとか」
中島「シャリシャリしたやつとかね。それでもちゃんと飲んでる。そういえば抹茶(みたいな衣装/薄緑色のフーディ)だね」

②知念「『最近、メンバー内で流行ってること、ハマってることは?』」
伊野尾「俺のミュージカルの稽古について薮と髙木がやたら気にかけてくる」

(それぞれがやってることに興味があるんだよねという流れ?から)
有岡「暗転したステージに登場する10秒くらい前まで、山田と知念がApexの話してた」
中島「してたね〜」
山田「今シーズンいろいろ変わったから」

(八乙女さんもゲームするよねという話題で)
八乙女「最近はずっとモンハンNow」
髙木「なう……?」
有岡?八乙女?「ゲームのタイトルね」
髙木「○○なう、の方かと思った……」
キュートすぎる

③山田様がくじ引き
八乙女「(くじの台に)届く?」
山田「■※☆△○!!!!!」
中島?「威嚇だ」

(くじを引いて)
山田「吟じます!」
中島「アッハッハッハwww」
中島裕翔さんだけが異様にウケていた

山田「『クローゼットを交換するなら誰?』……これサイズの問題が出てきちゃうんだけど」
有岡「サイズは無しで(考えよう)」
知念「やっぱり、広い(涼介の)クローゼットがいいんじゃないですか」
有岡「どのくらい広いの?」
知念「この会場くらい」
伊野尾「東京衣裳……」

山田「そういや薮ちゃんさあ、何でジャージぴっちぴちなの? 七分袖じゃん」
薮「ちゃんとXL買うんだけど、乾燥機にかけるからどんどん縮んでいく」

薮「俺、裕翔。サイズも合うし」
有岡?「薮くんのクローゼット、だいたい貰いものなんだよな」
薮「そうそう笑」
中島「僕も薮くんかな。靴はほぼVANSでね。相思相愛ですね」

山田「え〜やっぱ大ちゃんかちぃになっちゃうよね、サイズ的に」
髙木「半ズボンしかないけどいいの?」
有岡「ヒルナンデスの俺がすべてだと思うなよ!!」

④薮「『今年JUMPでやりたいことは?』」
この質問に対し、誰というわけでもなく、みんなが「ファンの皆と会える機会をたくさん作りたい」というようなことを言っていたのがハートウォーミング空間だった……つくづく優しい人らだよ……

(最近楽しかったことの話から、1/31の新年会について)
中島「俺が喉おかしくしちゃって行けなかったやつね。みんなが写真送ってくるのを、『ポコン! ポコンポコン!(通知音)ゲホゲホ、楽しそうだな』って見てた」
有岡「えらいね、通知オンなんだ」
伊野尾「あいつ(有岡)通知切ってるぞ!!!!!!」
鬼の首取ったような伊野尾さんおもしろすぎた

山田「酔っ払った薮ちゃんの横で手巻き寿司作るのやめた方がいいよ」
中島?有岡?「なんで?」
山田「ずっと口開けて待ってる。俺が食べたくて巻いたのに……」
これつまり、山田様はちゃんと薮さんの口に手巻き寿司入れてあげてたってことですよね
そんなかわいい光景ある? 夢みたいだ

有岡「一次会のあと、俺・薮くん・知念・マネージャーさんでカラオケ行こうとしたんだけど、知念がマネージャーさんと一緒に帰ろうとしてたから引き留めたらガチギレされた。『僕はもう帰るんだよ!』って」
知念「宏太がこうやって(首に腕を回して)引きずっていくんだもん、あんなのキレるよ」
有岡「見たことないキレ方だったからそのまま帰したんだけど、そのときの薮くんがすげえ悲しそうな顔してて、かわいそうだから二人でカラオケ行った」
伊野尾「何歌ったの?」
薮「アニソンとか」
伊野尾「マクロス?」
有岡「そこまで古くねえよ」
これ伊野尾さんと有岡さんでマクロスにズレが生じてませんか? そんなことない?

⑤八乙女「(質問を読むふりをしながら)ありおかのかおがむかつきます」
有岡「ぜってー書いてねえ!!!!」

八乙女「『推しコンビを教えて』だって」
中島「これ俺らが言うの? みんなが考えてるんじゃなくて? でもツアーでやったEvans Knotとかは珍しい組み合わせだったかもね」
伊野尾「あのとき、すごい嫌だった。光が俺の指なめようとしてきて……」
八乙女「小指にチューする振り付けを忠実に守ろうとしただけだよ」
伊野尾「振りガチってこと? なら知念もそう(振り付けに忠実)だから、ひかちねがいいんじゃない? これからのベストカップリングとして」

⑥(有岡さんがくじ引きに行くとき)
伊野尾「俺、引けないの!?」
台本だと伊野尾さんの番だったのかな?
まわりに宥められ、そのまま有岡さんが引いてました

有岡「『ナイトスタイルを教えて』です。じゃあやたら夜をアピールしてくる髙木から」
髙木「Tシャツと抱き枕。抱き枕は端が曲がっててそこが首を載せる部分なんだけど、それを真っ直ぐに伸ばして使ってる」
7人「何で?」
髙木「こう(抱きつく動作)できるから」
もしかして背が高いと市販の抱き枕の長さが足りない?

伊野尾「俺はパジャマ。冬はモコモコしたやつ。あと加湿器ね」
有岡「裕翔はパジャマ着てそう」
中島「何かで読んだんですよね、パジャマがいいって」
山田「勝手なイメージなんだけど、GANTZスーツみたいなの着てそう。光がビビビーってなって、朝には回復してる的な」
中島「何を言ってるかは分かるけども!」
有岡「あと、漫画でしか見ない帽子かぶって寝てそう」
中島「ナイトキャップね。ブリーチしてたときは使ってましたよ」
この流れで客席のナイトキャップ利用者が手を挙げることに
伊野尾「結構いるんだ」
有岡「ごめん、漫画でしか見たことないとか言って……」

⑦中島「何色引いたらいいの? (引いたくじが)赤! 『双眼鏡で自分が見られているのはわかりますか?』分かる!」
八乙女「レンズがキラってするんだよね」
中島「今まで3台以上の双眼鏡を使ったことあるよって人〜」
(客席の半分近くが手を挙げる)(私も挙げた)
中島「アリーナ用、ドーム用とかあるのかな」
薮「なんかいろいろ機能があるんだよね? 家電量販店の推し活コーナーで見た」
知念「有楽町のビックカメラにあるよね」
防振の存在を知っている薮さんと有楽町ビッカメ双眼鏡コーナーの存在を知るちー様

山田「疑問なんだけど、Ready to JUMPみたいな曲のときどうしてるの? 俺たち(が踊るの)と一緒に(揺れてる)?」
中島「こういうことだよね(双眼鏡を構えるポーズでガックンガックン揺れる)」
スパデリから生まれたスパデリ太郎なので、ここの二人見てぶっ倒れた
二人並んで楽しそうにガタガタしててスパデリ太郎は本望です
ありがとう……
(ちなみにマジレスすると、普通に踊ってるだけで双眼鏡の視界から外れるほど近い距離なら、裸眼で見てることのが多い気がする)

⑧満を持してくじを引く伊野尾さん
伊野尾「……TOKYO」
JUMP含め、会場中でリアクション遅れたの面白すぎる

伊野尾「『20周年までにファンと一緒に見たい景色は? また、ファンにしてもらいたいことは?』」
山田「"してもらいたい"じゃなくて、俺らがしてやるよ(いい声)」
会場がキャーキャーするのを尻目に、手を叩いて大笑いする中島裕翔さんよ……

どんな流れか忘れたけど、福岡オーラスで号泣した薮さんの話に
山田「俺、30越えた大人があんな泣き方するの初めて見た」
薮「知念が歌詞間違えて詰まったの見て(知念も泣いてるのかと勘違いして)また泣いちゃって」
あのときのちー様の表情、そういう顛末だったんだ!?
私も薮さんのと同じ勘違いしてたわ……

薮「そしたら伊野尾が『俺たちがついてるだろ!』みたいなこと言うからさらに泣いちゃった」
何しても泣く薮さんかわいかったね

⑨伊野尾さん2回目のくじ引き
伊野尾「……TOKYO」
2回目なので間髪いれずにウオオするJUMPたち愛おしいよ
中島裕翔さんが「お・も・て・な・し」のあの動きしてた

伊野尾「『長期休みがあったら何がしたい?』長期ってどのくらい? 1週間? 1年?」
有岡「とりあえず1か月で」
伊野尾「それなら海外かなあ。短期留学とかね」
髙木「ニューヨークで演劇学校!」
八乙女「させねえよ!?」
中島「聞いたことある流れだなあ」
山田?「それ1か月で帰ってこないだろ」
この辺、人によって受け取り方が変わると思うけど、「われわれオタクには一生わからない、彼らだけの関係」があるのがとてもよく感じられて個人的には好きでした

知念「(あえて)一歩も外に出ない生活もいいよね」
髙木「日本の行ったことないところに行きたい」
山田「結局(この手の話題は)、旅行になるよね」

9問答えたところでコーナー終了。
有岡「ちゃん、(くじの箱を)持って帰っていいよ」
伊野尾「えっ、家でやろう〜っと」


■あの日のジェスチャーを見させてよ


双眼鏡を持ったJUMPが、観客がジェスチャーするのを見て答えを当てるゲーム。
練習問題として「ひよこ」の文字がモニターに表示されて、
髙木「こよひ」
中島「昔の日本語の読み方しないで〜」
有岡「絶好調だな」

有岡「有岡チームと薮チームに分かれます。俺ら二人は目をつぶってるから、残りの6人は入りたいチームに分かれて」
6人「……」
悩みつつ全員が有岡チームへ(裕翔だけちょっと薮チームに行こうとしてたかも)
薮「(結果を確認して)何で誰もいないんだよまた泣くぞ!!!!」
有岡「じゃあ欲しい人指名していいよ」←ここ投げやりでワロタ

薮「とりあえずお前はこっちだろうが!!!!」
八乙女さんの首に腕をかけて連行していく薮さん
スーパーやぶひかタイムありがとうございます
寿命が延びます

有岡「ほかは?」
薮「山田」
山田「ええ〜?(と言いつつも薮チームへ)」
有岡「じゃあチーム決定ね」
5人vs3人の変則ルールで強行突破する有岡さん

観客も座席番号1〜25は有岡チーム、26〜50は薮チームに。自チームに対してジェスチャーを行います。

(JUMPたちが使う双眼鏡が壇上に出てきて)
伊野尾「あっ足りない(5人だから)」
即座に二人で一つの双眼鏡覗くいのゆとの手腕さすがすぎた
中島「あっ(観客が)指ハートしてる」
有岡「これで見られる側の気持ちも分かったんじゃないですか?」

まずは有岡チームの挑戦からで、私もこちら側だったわけですが。
1問目から「ゴリラ」はオタク試されすぎてない!??!!!!?!
好きな男に見られてるかもしれない状況でドラミングさせられるの、しつけとして結構ハードだろ(ちゃんとやりました)
数の力か、わりと正解がぽんぽん出てた。
お題がカモナだったときのオタクたちの動き、揃ってて最高だったね
途中できいたそが「待って、なんかもやもやしてきちゃった!(双眼鏡が曇った?)」って叫んだのを受けて、有岡チームみんなで「髙木がもやもやしてるんだぞ! 話聞いてあげなきゃだろ!!」って制限時間を引き延ばそうとしてたの超かわいかった

続いて薮チーム。
双眼鏡の調整をしてるときに
山田「自分が見ようとしたところより手前にレンズが向いちゃったりして、扱いが難しいね」
中島「そうそう、あの辺見ようとしてるのにこっちの方になっちゃって混乱するよね!」
山田「(調整に真剣)」
中島「……俺だけか!」
たまに出現する不憫な中島裕翔さんは最高

薮チームへのお題でもウィーケンと我Iが出て、客席の動きが揃っててよかった
我Iのとき、八乙女さんが「それ何だっけ!?」って叫んでたのめちゃくちゃ良くなかったですか? 良かったです

山田「この人!って決めて双眼鏡で見たんだけど、その人がなかなか動かなくて笑った」
中島「恥ずかしかったのか、考えてたのか」
知念「あと意外と毛穴は見えないね、最前列でも」
中島「確かに! 僕ら面白がって『毛穴まで見てるんでしょ』ってよく言ってるけどさすがにそんなことはなかったね」

結果は、有岡チーム8問正解に対し薮チーム9問正解で薮チームの勝利!
罰ゲームとして、有岡チームはJUMP公式Xのヘッダー写真(期間限定)を撮ることに。
山田「それ罰ゲームじゃなくない?」
八乙女「じゃあ恥ずかしい写真にしよう。キス顔ね」
伊野尾「(おどけて唇を突き出す)」
八乙女「そういうのじゃないから(怒)」

八乙女さんプロデュースにより、本気の(≒自然な)キス顔をご披露する羽目になる有岡チーム、本当にありがとうございます
有岡さんの「(周りの様子を伺って)みんな目ぇ開けてするタイプなんだ……」で会場から今日一番の悲鳴上がった
それはそう これについては有岡さんにすべての責任がある
あと緊張しすぎてカメラ持つ手がガタガタガタガタ震えてJUMPから爆笑を獲得したスタッフさん、かわいいね 今夜はあたたかくして寝なね

続いて、変顔でも撮影することに(2種のヘッダーをどう使うかは不明。ご期待申し上げます公式くん様)
こっちも八乙女さんプロデュース。
八乙女「しゃくれて、目を開けて……」
薮「この人、罰ゲーム耐性つきすぎておかしくなってるんです」
本日二度目のスーパーやぶひかタイムありがとうございます


■ときめくあなた

有岡「終わる前に、みなさんに一つ振り付けを覚えていただこうかと」
中島「もう終わりなの?」
有岡「そろそろね」
中島「っした〜」
中島裕翔さんのさっさと帰る芸、ありがとうございます
これは精神の鍛錬に絶大な効果があると言われていますからね

そういやここでさらっと起立させてくれたの、偶然か狙いかは分からないけどよかった
オープニングのDMLのとき、立つかどうか悩んだので……
見えやすさは変わるけど、やっぱり起立のが一体感はあるように思った

そして「ときめくあなた」のルルラリラ〜をみんなで練習することに。
ここでさっと客席に背中を向けて、真似すればいいお手本になってくれる中島裕翔さん好き〜〜〜〜(突然の発作失礼します)

一通り練習した後に本番へ。
ちゃんと覚えたはずなのに、歌うJUMP見ちゃうとフワフワになってしまう……
手拍子したり腕を振ったりぴょんぴょん跳ねたりする中島裕翔さんかわいかったよ〜〜〜
全員かわいいんだけど目は一組しかないので同じことばっかり言ってる許して〜〜〜〜

曲が終わった後、誰の発言だったか曖昧なんだけど、「ドームももちろんだけど、このくらいの規模のイベントもいいね。みんなが来られるように、何回もできたらいいよね」というようなことを言ってて優しい〜〜〜〜つって勝手に涙ぐんでた

でもそのあとに告げられた一言で全部引っ込んだ

有岡「イベントはこれで終わりなんですけど、最後に僕らで皆さんを見送ろうかと。準備するので少し待っててね」

え!?!!?!
お見送り!??!!!!?!
フォロワーとかがよく壊れて帰ってくるあの!??!!??!!!!?!
客席全員でオロオロしてる間にJUMPは舞台袖に消えていきました……
最後に薮さんが「化粧直し始めるのちょっと早いな」って言ってて笑った


■お見送り

前方席からホール出口に吸い込まれていくんだけど、妙に静かなのが怖かった
ドームでギャースカ叫ぶオタクたちがみんな表情かたく歩いていくさま忘れられないよ……

いよいよ自分のいる列も案内され、進んでいくんだけど手が震えちゃって大変だった
通路を曲がって、遠くにJUMPが見えたあたりからあんまり呼吸できてなかった……

並び順は場内から出口に向かって、
山田・知念・中島・薮・有岡・八乙女・伊野尾・髙木
だったと思う
八乙女さんと伊野尾さんが逆かもしれない……?
分からない、記憶が吹き飛んだので……

会場出てまず最初に目に飛び込んでくるのが山田様の時点ですごい
ロビーの薄暗い灯りなのに輪郭が輝いてた
常に紗がかかってるみたいな……生きてるだけでフィルター機能onって感じ……
そんな人が微笑みながら手を振るの天界だよやっぱり
豊洲は天界、そういうことになりました

ニコニコしながらお手振りしてくれるちー様はとっても可憐
なんかふわふわしてた
子犬のワルツが聞こえる……かわいい……すごくかわいい……

で、中島裕翔さんなんですけど……
わたくしめちゃくちゃ緊張してしまって、声は出せず、口パクで何か言う仕草できず、ただ間抜けに手を揺らしながら通り過ぎてしまった……「ア……ア……」くらいの音は漏れてたかも

なお悪いだろうがよ、モンスターか?

わりとそうなんだよな……


でも目は合わせられた気がする!
いやどうだろう! わかんない!
でもこういうのって思い込むのが大事だから……
何かすごいきれいな微笑みだった
わたしは笑ったときの目尻のしわとかその辺を見ていた気がする なに、なんか、"生きてる"って感じで……
これまでの人生において、もっとも近くで中島裕翔さんを見たんだなあ
今でも実感がない 幻覚ですよと言われたら頷くくらい
でも現実なんですよね……?
誰かそうだと言って……

薮さんは「ありがとう!」って少し身を屈めて言ってくれて、もしかしたら顔の位置を合わせてくれたのだろうか
動作自体は偶然のタイミングかもしれないけど、帰る全員の顔を見ようという感じでめちゃくちゃ優しい人だなと改めて思いました

次の有岡さんがいきなり「傘忘れないように!」って忠告してくれて、びっくりしすぎてここからマジで視界があやふや
どれほどぼんやりした姿だったんでしょうね、わたくし……傘はどこにも置き忘れずに家まで持ってこれました
言いながら、有岡さんが傘のあたりを指差してくれてた気もするけどどうだったかな……
とにかく張りのある声で、テレビでいつも聴くやつ!の気持ちになった
いきなり学校の先生みたいになった有岡さんに、髙木さんが「傘忘れないようにwwww」って大ウケしてたのがかわいかったです

この二人のリアクションで頭爆発しちゃったんだけど、
それでも伊野尾さんから意外とがっしりした骨の存在を感じたり(目の前にいる方をじっと見て対応されていたのも印象的)、
反対に八乙女さんは線のやわらかい雰囲気だったり(イベント中と比べると驚くくらいこまやかだった)、
この距離だからこそ知ることのできた情報が多かった

接触・会話の有無に関わらず、物理的な距離が近ければ近いほど出演者やスタッフの皆さんの負担は大きかろうと想像するので、実行してくれたの感謝しかない
約1時間、流れていく人(しかも全員が熱烈な視線を注いでくる!)を見送るのってどれほど大変なんだろう
Hey! Sɑy! JUMPの皆さん、本当にありがとうございます

そこに居合わせた幸運にも感謝しないといけないね
明日からしばらく人に優しくします

2023年現場振り返り

あけましておめでとうございます。
2023年にせっかくブログを作ったので、1年間を簡単に振り返ります。

集計結果

2023年の現場数…24件
(内訳は最下部にあります)

振り返り(現場中心)

改めて数えて見ると、多いような、予想通りのような、不思議な感覚……
9〜10月の『ひげよ、さらば』が一番多いので、記憶があまり遠くないのも影響しているかもしれない。

でも、今年がこんなふうになったのは『#マンホール』の舞台挨拶がきっかけであることは間違いないんだよな〜
2022/12/30にJUMPの15thツアー東京ドーム公演を見て、2023/1/1にFC加入して初めてのリアル中島裕翔さん現場だからって友人に背中を押してもらったのだった。
そこからまあ見事に転がって今。まさか舞台で遠征することになろうとは。
茶の間とは言わないけれど、関東引きこもりオタクだったのに人間って変わるんだなあ。

年をまたいで開催中のJUMPのPUツアーも、いろんな幸運が重なって、名古屋1公演、東京3公演を見ることができたの今でもちょっとびっくりしている。
こんなに走り回る体力があったんだなあ。

2023年の間はずっと自分が自分でないような感覚があって、中島裕翔さんが今まで知らなかった世界に連れていってくれたように思う。
実際のところはオタクが勝手にウロウロしてるだけなんですけど、きっかけを与えてくれたのは間違いないのでこういう書き方です。

あとは映画も結構見た1年だったかな!
いわゆる現場ではないので含めてないけど、映画館にも9回(+『#マンホール』舞台挨拶で2回)くらい行っている。
お盆休みには配信サイトで5本くらい見たし、いろいろなジャンルに触れようという意識を保ててよかった。
どうしたって好きな人間ばかり見てしまうオタクなので、そうでないものもきちんと見ていきたい。
好きな人間の作品を見たとき、自分の知識が偏っているせいで受け取り漏らすものがあるのは悔しいので……結局は好きな人間ベース……

振り返り(個人的)

現場があることで出かける機会が増え、それに伴って会えた人も多かった。
出かけること自体への億劫さが減って、現場がなくとも人と会う約束をすることもあった。
そこで私が話すのは現場のことばかりなんだけど、ありがたいことにみんな「あなたが元気そうでよかった」と言ってくれて嬉しかった。
2つ前の記事で、嵐が活動休止してから初めてJUMPコンに入るまでのことを軽く書いているんだけど、どうやらその期間の私はあんまり元気じゃなかったらしい。(自覚はない。同人誌をめちゃくちゃ出していたからわりと元気では?と今でも思っている)
こういう現場外の、ただの日常の部分にまで影響してくるんだからアイドルってすごい。

アイドルという言葉に対し、いろんな人がいろんなことを言った1年だったけど、私はどんな夢でも見せてくれる彼らへの愛の言葉として使っていたいと思う。
あとはやっぱり、好きな人間の言うこと以外に振り回される必要はないということも留めておく必要を感じた。
私は彼らが好きで、彼らはしっかりとした社会人で、しっかりとした社会人が決めた身の振り方について、私はどうこう言う立場ではない。ただし提供されるものに対する取捨選択の権利はある。
そして私は、彼らが提供するものを信頼している。
今も毎日楽しくオタクができていること、きちんとお礼を伝えていきたいね。

現場内訳

各現場の細かい感想文はインスタに載せています。https://www.instagram.com/feverrondo?igsh=YzVkODRmOTdmMw%3D%3D&utm_source=qr

1/28…ミュージカル『ダブル・トラブル』@新国立劇場小劇場

2/12…映画『#マンホール』公開記念舞台挨拶(11:35の回)@TOHOシネマズ六本木ヒルズ
2/18…舞台『ジョン王』@埼玉会館
2/25…映画『#マンホール』大ヒット御礼舞台挨拶(12:50の回)@新宿バルト9

3/16…コンサート「20th Century Live Tour 2023 〜僕たち20th Centuryです!〜」(15:30-17:00)@Billboard Live TOKYO
3/26…ライブドラマ『アリドロ レベル2 誓願羅針盤』@有楽町朝日ホール

4/15…『櫻井翔 未来への言葉展 SHO SAKURAI:WORDS FOR THE FUTURE』@六本木ミュージアム
4/22…ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』(17:30開演)@日生劇場
4/30…ミュージカル『ザ・ミュージック・マン』(12:30開演)@日生劇場

5/27…ミュージカル『シー・ラヴズ・ミー』(13:00開演)@シアター・クリエ

7/29…舞台『少女都市からの呼び声』(14:00開演)@THEATER  MILANO-Za

9/9…舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』(16:30開演)@新橋演舞場
9/10…舞台『ひげよ、さらば』(13:00開演)@PARCO劇場
9/16…舞台『ひげよ、さらば』(13:00開演)@PARCO劇場
9/21…舞台『ひげよ、さらば』(13:00開演)@PARCO劇場
9/29…舞台『ひげよ、さらば』(13:00開演)@PARCO劇場
9/30…舞台『ひげよ、さらば』(13:00開演)@PARCO劇場

10/9…舞台『ひげよ、さらば』(13:00開演)@COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
10/21…ミュージカル『キャメロット』(12:30開演)@日生劇場
10/28…ミュージカル『キャメロット』(12:30開演)@日生劇場

12/23… Hey! Sɑy! JUMP LIVE TOUR 2023-2024 PULL UP!@バンテリンドームナゴヤ
12/29…Hey! Sɑy! JUMP LIVE TOUR 2023-2024 PULL UP!@東京ドーム
12/30…Hey! Sɑy! JUMP LIVE TOUR 2023-2024 PULL UP!@東京ドーム
12/31…Hey! Sɑy! JUMP LIVE TOUR 2023-2024 PULL UP!@東京ドーム

映画『#マンホール』の好きなところ全部書く

映画『#マンホール』のDVD/ Blu-rayが8月4日に発売されました。

同時にレンタルも始まっています。

#マンホール

#マンホール

  • 中島裕翔
Amazon

2023年12月13日追記:2023年12月10日より、Netflixでも配信開始されましたhttps://www.netflix.com/jp/title/81675328

 

これで望めば映画『#マンホール』がいつでも鑑賞できる状況が整いました。
こうなったらもうネタバレも何もありません。
この映画で暮らしの方向性が変わった人間として、好きなところを全部書いていこうと思います。「○○が好き」という書き方をしていなくても、この記事で触れてる部分は全部好きなところです。

 

もちろんネタバレもガンガンあるので、ネタバレなしで映画を楽しみたい方は、映画『#マンホール』を今すぐ見てください。
あるいは「内容をある程度把握してから映画に臨みたいけど、まともな情報を得たいよ」という方はこちらのインタビュー記事を見てください。中島裕翔さんご本人が映画の内容に触れつつお話しされています。

nantejapan.com


その上でこの記事に戻ってきて、私が何も嘘はついていないことを確かめてください。


あらすじと「ネタバレ厳禁」

そもそもどうしてこんなにネタバレを気にしているかというと、映画のプロモーションとして「ネタバレ厳禁」が掲げられていたからです。

結婚式前夜、幸せの絶頂から一転、マンホールに転落してしまった一人の男。梯子は壊れ、脚には深手を負い、地上に這い上がることができない。外部に助けを求められるツールはスマホのみ。持てる限りの知力を総動員してSNSを駆使し、絶体絶命の危機からなんとか脱出を試みるのだが、これは、単なる事故ではなかった・・・。(中略)2分に1度訪れるピンチの連続。タイムリミットは夜明けまで。そして待ち受ける驚愕の結末。
どうかあなたも“共犯者”として、衝撃のラストはご内密にお願いします。
(映画公式サイト「introduction」より)

gaga.ne.jp

 

あらすじからしてこう。
さまざまな取材が入る舞台挨拶でも、徹底して「ネタバレ厳禁」の念押しがされていました。
実際、映画の内容を語ろうとすると何もかもネタバレになるんですよ。主人公の川村(演・中島裕翔)がどんな性格の人物かってことを話すだけでもネタバレ。元カノとの会話の雰囲気ですらネタバレ。ていうか極論、川村の存在自体がネタバレみたいなものでぇ……。

そういうわけで、見てない人に何も言えない状況でのたうちまわる生活は非常に苦しかったです。苦しすぎてもともと会う予定だった友人を映画館に連れ込んだ。あと偶然鑑賞済みだったフォロワーにめちゃくちゃ絡んだ。その節はありがとうございました。

もちろん、映画レビューサイトなどではネタバレも含めて語られていたと思うのですが、私の言う「好きなところ」ってそういうちゃんとしたやつではないというか、ちゃんとしてなくはないと思うけどだいぶ個人的なまなざしが混ざっている自覚はあるので、円盤発売およびレンタル開始まではぼかしてぼかして生きてきました。そんな生活ともお別れかと思うと、何から語ればいいか分からないですね。ここからどんどん支離滅裂になります。よろしくお願いします。

 

営業成績No.1のデキる男(公式)

映画は、川村のために同僚らが用意したサプライズパーティーから始まります。
自分が勤める会社の社長令嬢と結婚するということで、エリートサラリーマンぶりは文句のつけようがありません。不動産会社勤務という設定だけあって、同僚も後輩もかなりのギラギラ具合です。そもそも結婚式前夜にサプライズパーティーすな。全員じゃなくても、お前らの中で式に出席する奴いるんじゃないの? それとも近い親族だけでこじんまりやるタイプ? エリートサラリーマンなのにその辺地味なんだフーン……。
この辺からもうちょっとだめ。なんていうか、何もかもがバッチバチに決めているのではなく、あえて隙を残す感じ? ぜったいエリートサラリーマンの好感度上昇テクニックじゃん。
サプライズが成功した後のスピーチでも、「結婚式前夜にこんな素敵な場を設けてくださって……いい迷惑です!(笑)」とかいうオチをちゃんとつけるんですよこの男は。はー、隙がない。作られた隙しかない。めちゃくちゃ仕事ができるということと、全部分かってやってるという性格のよろしくなさが一気に分かってキーッとなってしまう。
でもこのキーッとなる時点で、私ってもしかして川村くんのことが好……好…………クソッ

 

パーティーからの帰り道、酔っ払った川村くんはマンホールに落ちます。落ちないと話が始まらないのでサクッと落ちます。
地上へ続くはしごは折れてるし太ももにとんでもない裂傷できてるしで八方塞がり、満身創痍の状態で川村くんがもがくさまは、良く言えばバイタリティに溢れているし、悪く言えば無様。手が届かない位置のはしごに引っ掛けようとしてベルトを外すんだけど、そのしぐさは全然かっこよくない。ベルトを外す動作ってどうしてあんなに情けないんだろう。結局はしごにも届かないし。
ここから出ようと、さらにいろんな策を講じるわけですがなぜか全部空振り。運の悪さで顔の良さとのバランス取ってる?

 

それはそれとして、110番した警察に脱出できない焦りからブチギレる姿は最高。取り繕わなくていい相手にはかなり高圧的にキレるの、かなり性悪ポイントが高い。美しい男の性格が悪くて困ったことないですからね。
その上、警察のみならず、唯一電話のつながった元カノ・舞にもキレる。ド深夜、それも仕事終わりの元カノに己を捜索させ、見つからなかったと報告された瞬間に「本当に探したのか?」などとモラハラ全開で詰め寄るの本当にカスなんですが、次の瞬間にめちゃくちゃ甘い声で弱音を吐いてみせてくるので人類全部がほだされてしまうんですよね。やってることは最悪なのに、顔がよくてハイスペックで甘え上手だから抗えない。雨に降られてかじかんだ手指をカタカタ震わすさまも儚げで美しいし……何だろう、悪魔?

 

セロテープとホッチキスとマキロン

雨まで振り出し高そうなスーツはどんどん汚れていって、古い配管からは謎のガスがシューシュー吹き出ているものだからむせちゃって、川村はペンケースからちっちゃいセロテープを取り出してガス漏れ部分を塞ぐんですよ。ちっちゃいセロテープ。あの直径5センチくらいの、コンビニに売ってるやつ。それもしっかりセロテープカッターにセットされてんの。

そんなもん持ち歩くサラリーマンいるか??????

さらに川村くん、ちっちゃいセロテープだけじゃなくて、ホッチキスも持ってんの。10号針の。マックス製だからマジでホッチキス(ホッチキスはマックス社の商品名です)。セロテープはちっちゃいのにホッチキスは普通のでっかいやつ。今どきペンケースに入れやすい小さいホッチキスも売ってるのに一番スタンダードな金属丸出しのホッチキスを持ち歩いてる。ほかにも蛍光ペンやら何やらでペンケースがパンパン。美術部所属の女子中学生くらいでしょそんなことになってるの。
不動産会社で何売ってるのか知らないけど、ペンケースがこんなに膨らんでる営業マン見たことないよ。デスクに置いてあるならともかく、毎日毎日ちっちゃいセロテープとでっかいホッチキスを持って出勤してお客さんに会ってってしてるわけ? お客さんが資料バラバラーって散らかしてしまったときにサッとホッチキスを出したり? 勢い余って図面を破いてしまったときに笑顔でセロテープ使って修復したり? それで取引先の人から「普段からこんなものまで用意してるんですか(笑)」って驚かれたりしてんの? 腹立つ〜〜〜〜〜〜〜〜
何でこんなに嫌なのかわかんないけど、とにかくそのぬかりのなさが嫌。仕事が出来すぎ。ありえない。さすがにこれは嘘。こんな完全無欠パーフェクト男(目黒区碑文谷在住)にムカつかない奴いないだろ。だって絶対に世間のことを馬鹿にしてるもん。そうじゃなかったら聖人になっちゃうから性格だけは最悪であれと祈るレベル。

しかし完全無欠パーフェクト男(目黒区碑文谷在住)でも出血には勝てません。
ここで傷が大写しになるのですが、裂けた肉から血が溢れる様子がかなりリアルでよかったです。痛いシーンが苦手な人はかなりきついかも。映画館でも顔を覆っている人を結構見かけた。
また血で張り付いたスラックスの生地をめくる芝居がいいんですよ。指先が震えてて、触れるだけ、布を動かすだけでも痛いんだろうなっていうのが伝わってくる。美しい男が傷ついて血まみれになり顔を歪めている姿って栄養がたくさんある。
とはいえ放っておくと壊死してしまうかもという看護師である舞のアドバイスで、太ももの傷を応急処置することに。

ここでさっきのホッチキスが大活躍! 持っててよかったホッチキス! 傷口を合わせてバチンと留めるたびに川村くん大絶叫! ありがとうございます! マジで心の中で手ェ叩いて喜びました!

悲鳴のバリエーションも多彩で、痛みに悶え、すすり泣き、最終的にあまりのつらさにおかしくなって笑い始めるところまで行く。ホッチキスのバチンバチンもスピードアップして狂気に磨きがかかります。
痛すぎて「子どもの頃、怪我をして帰っても手当してくれる人が誰もいなくて、自分で泣きながらマキロン塗ってたんだ」と聞いてもいない思い出話まで明かしてくれる川村くん。完全無欠パーフェクト男(目黒区碑文谷在住)にも寂しい過去があったのかよ。そういう根暗な部分を見せられると好きになっちゃうからやめてくれよ。ていうかマキロンて。がっつり商品名じゃん。ドキドキするわ。
これは私の個人的な好みですが個人の思い出に出てくる商品名ってよくないですか? 手触りがより具体的になるというか、薬だの絆創膏の箱だのがごちゃごちゃしてる救急箱の中で、あの白と青のパッケージがパッと浮かび上がる感じ。蓋を開けたときのツンとする匂いとか。だって普通に言ってたもんね「マキロンやっときな」とかって。そういう、ものすごく些細な、日常の記憶が川村くんの「マキロン」の一言でブワーッっと呼び起こされるのがめちゃくちゃ好きな感覚でした。映画なんだけど、自分の生活と急に地続きになるというか。

 

処置を終え、疲れ果てて倒れた額に浮かぶ脂汗の美しさったらないよ。線香花火は消える直前がもっとも綺麗ってこういうことなんだろうね。夜の青さに照らされた鼻梁とまつ毛が素晴らしい。呆然としてるさまがどうしてあんなに似合うんだろう。私の好きな人間みんなそんな感じ。棒立ちの才能がある。あとまつ毛。まつげたべほうだい。

セルフ治療で心身ともにズタボロになったはずなのに、川村くんはうっすら微笑みながら「今度からは麻酔も持ち歩くことにするよ」と電話の向こうの舞に冗談をぶっ飛ばします。だから何なんだよその余裕は。自分の足にホッチキス連打したあとに出していい声じゃないだろ。エリートサラリーマンって場所不明のマンホールに落ちても小粋なトークで相手を楽しませないといけないんですか? 転職しろもう。

 

ヤバい奴・川村くん

依然として以前として自分の居場所が分からない川村くんは、Twitterのような SNSを駆使して脱出を試みます。
バズり狙いで「マンホール女」というアカウントを作り、アイコンは拾った女性アイドルの写真をちょっと加工するところまで一息で行うのが本当に嫌。日常的にネカマをやっていたとしか思えない手つき。
スマホぶん投げて撮ったマンホール外のムービーを載せ、情報収集目的で「川村俊介の妹」であることを明かし、「兄の女性トラブルに巻き込まれてマンホールに落とされた」という悲劇のストーリーでおバズりになる様子は悪いインターネットそのものです。バズったもんだから同僚やら後輩やらから川村くんへの妬み嫉み噂話が爆速で集まってくる。川村くん、50人切りとか言われてるよ。出てくる女の名前についていちいち「誰だっけな」みたいな顔で首ひねるの、有象無象の女たちと関係を持ってた仕草すぎて最悪だよ。どの名前には覚えがあるのかだけでいいから教えてもらっていい?

何なら「情報お待ちしてます」を最初「情報お待ちしてまふ」と誤入力するところまであざといもんな。そこから爆速で修正するの、演出なのかリアルな入力ミスをそのまま使ったのか分からないけどすげ〜〜〜人間っぽい。パーフェクトのくせに人間味出してくるのずるいって。

 

匿名アカウントからのタレコミに流されて川村くんもどんどん人相が悪くなり、最終的に犯人候補にされた同期・加瀬に対して「お前が犯人なんだろ」と怒鳴る始末。
せっかく元カノ以外と電話が繋がったのに、犯人かどうかの押し問答しかできなくなってるの愚かしいにも程があるだろ。妹なんていないことまで知ってるレベルで仲がよかったっぽい人にあのスピードで憎しみを向けられるの怖いよ。そもそもインターネットが言ってたからお前が犯人ってリアルで絶対口にしたくないやつじゃん。素直か。
この豹変ぶりに同期も元カノもドン引きで、見てるこっちも「川村くん、恋人にモラハラ気味だけなんじゃなくて全方位にヤバい奴か……?」みたいな気持ちが芽生えてくる。
でも深淵のプリンスを名乗るユーザーが同期をガチで襲撃してしまい時すでに遅し。同期血まみれ。インターネット大加速。登場人物全員Wi-Fi切って寝てくれ頼むから。

 

それから何だかんだあって、インターネット探偵団がマンホールの位置と思われる場所を特定してくれます。この「何だかんだ」の中で、撮影のために投げたスマホが壁の隙間に引っかかってめちゃくちゃ焦る激カワ川村くんとかも含まれます。だいぶ序盤の話を今しました。半年反芻した影響で記憶が混濁してる。マジで全カットが萌え萌えだから絵コンテ集を発売してもらって全コマに付箋でコメント書いていくとかしないとこの記事終わらないかも。

ろくでもねえストリーマーみたいな男が生配信しながら助けに来てくれるのをスマホでハラハラ眺める川村くんも無力でかわいいしさあ。配信見ながら「ここだー!」って応答するのクッソダサい。でも顔のいい男のダサい姿って萌え萌えなんだよな。
気づけばマンホール内は有毒な泡が満ちてきて、沈むまでに脱出できなければ一貫の終わりという状況になるわけですが、ストリーマーが探索にきた場所に川村くんの姿はありません。哀れ、川村くんは有毒バブルに飲み込まれてしまいます……が、これを爆破します。
爆破です。みんな好きでしょ爆破。映画『#マンホール』見て。
爆破に至るまでの動きを水中(泡中?)カメラで撮っているんですが、目薬のCMかよってくらいの勢いで眼球をカッッッッと見開く川村くんが最高なんすよ。全然かっこよくないシーンなのにめちゃくちゃキメ顔でカッッッッってしてますからね。泡でぼやけているので分かりにくいんですが気づくと川村くんと目が合う。ここ本当に好き。でっかい水槽に入って撮ったというオーディオコメンタリー情報含めて大好き。

 

どうにか難を逃れた川村くん、ホッとしたのか、一晩振り回した舞に謝罪と感謝を述べるのですが、そのときの声の甘さが最低で最悪で最高の芝居。別れた当時の話になって、現在の婚約者である社長令嬢との二股を疑われるんだけどそこでの言い訳の仕方が、演じる中島裕翔さん本人がコメンタリーで「ほんとかよ笑」って言うレベル。よくもまあ自分の顔に向かってその声が出せるものよ。

でも確かに「ほんとかよ笑」の芝居なんすよね。もう絶対嘘って分かるんだけど、すでに別れてるし何か言い方が可愛いしまあいっかぁ……ってなってしまうわけ。こんなん川村くんの思う壺だよ。よくない。よくないよ。絆されてるよーーーーーーハア……ってなってる状態で、血まみれ泥まみれ汗まみれのズタボロ川村くんが「ずっと謝ろうと思ってたんだ」って疲れたくしゃくしゃの笑顔で言うのマジで頭おかしくなる。舞もドキッとしちゃってるじゃん。「話せてよかった。。。」とか小声で呻いてるもん。だめだよこいつはモラハラカス野郎なんだって……。冷静に考えて、真っ当な人間は女に語りかけるときにあんな甘い声出すわけないんだよ、あんなの芝居だよ、でも川村くんは完全無欠パーフェクト男(目黒区碑文谷在住)だから女を口説くときもパーフェクトなのかもしれない……? えっじゃあこの脳みそを溶かしにきてる甘い声にも抗わなくていいってこと……? 完全無欠パーフェクト男(目黒区碑文谷在住)が優しくしてくれるのをただひたすら享受していい……? でも私たちのことってもう過去の話だし川村くんは明日別の人と結婚するんでしょ……っていうギリギリのラインをゴリッゴリに攻めてくる甘さです。およそ人類から出るものではない。シンプル恐怖。どっから出てんのか真面目に教えてほしい。

 

さっきの爆破によってマンホールの底からミイラ化遺体が出てきて、そんなところに突き落とされるって一体お前は誰にどれほど恨まれてるんだよ……顔が怖いよ川村くん……

ここで川村くんの回想が出てくるのですが、過去の川村くんがまた萌え萌えでひっくり返る。だってゴミ処理場でのアルバイトを就職を機に辞めるのを、餞別とともに和やかに送り出される好青年ですよ。古いアパートながら清潔に保ち、亡くなった母の遺影に手を合わせるのは間違いなくいい人の姿。ケーブル編みの白ニット着てる身長180cmの容姿端麗な男に悪人なんていない。あなた本当にあの川村くん?
そこに男が尋ねてきて、「ひょっとして吉田くん?」と思い出した瞬間に吉田が川村くんをグサー!!!!
結構な回数グサグサされるたび、川村くんの四肢だけがビクビク跳ねるのがめちゃくちゃいい。死にかけの魚みたい。コメンタリーで「ポップダンスのような動きを意識した」と中島裕翔さんが語っているのがなおいい。こういうところで唐突に活きるダンス経験はアイドルの醍醐味。

 

川村(真)、川村(偽)

実は川村くんは川村くんではなく、本当の川村俊介を殺害して人生を乗っ取った吉田でした。
やたら鏡やスマホで自分の顔を見るカットがあるのはそういうことか〜。演出技法とかまったく詳しくないけど、気づくと気持ちいい瞬間ってあるよね。

死んだ川村(真)に成り変わるべく、吉田は整形手術を受けに闇の手術室を訪れるのですが、ここで資料として提供される川村(真)の写真でタバコくわえてるやつがあって大興奮したよね。川村(真)くんってタバコ吸うんだ。真面目そうなイメージだったからちょっと意外。あっイヤとかじゃないよ、でもさまになりすぎてて見てると何か照れるかも……やだ、笑わないでよ! 変なこと言った自覚はあるから!(川村(真)との大学時代の思い出です)
ハーアア勘弁してくれよ、ここでマキロン語り後の横たわった姿がスーパーアンニュイで最高だった意味が判明すると思わないじゃん。この作品において、どこが吉田の本音で何が演技かというのはたぶん一生明かされないと思うんだけど、あの場面で語ったエピソードはおそらく吉田自身の実体験だろうということが察せられるの脳が焼き切れちまうよ。「己の欲望のためにあらゆる悪徳を尽くせるが結局なにひとつ満たされることなく孤独のみを抱えて過ごさなければならない男」を嫌いなオタクなんていないだろ。そんな大人のお子様ランチみたいな存在を99分しかない映画で濃縮還元してオタクに突っ込むの間違いなく暴力。あらゆる物質には致死量があるっていうじゃん。どう考えても用法容量守られてないよこの吉田はさ……

 

この時点でかなり最悪なんですけど、吉田は神経が樹齢100年の丸太くらいあるのでこの期に及んでもまだ状況をコントロールしようとします。
誰にも知られていないはずの遺体を埋めた穴に落とされたことで、犯人が川村(真)の恋人であることも確信し、インターネットを焚き付けます。まんまと食いつくインターネット。吉田も別垢を作成して燃料投下。やり口が細かい。別垢もネカマなの本当にいや。吉田ってそういうとこあるよな。
熊切監督、「自分はSNSに詳しくない」って言ってたけどそれでこのリアルさってそんなことあります?もうずっとインターネットが最悪だよ。

 

アップロードした動画から電車の運行状況も割り出され、いよいよ本当の居場所がバレてしまいました。
大バズしたことで警察もまともに取り合ってくれて、もう大変。今の状況だと警察くる→遺体が見つかる→逮捕の流れになってしまうから吉田大パニック。

そんな中、魔性の声音で転がし続けた舞が、いよいよ助けに来てくれます。舞は吉田の事情を知らないので吉田大チャンス。暗く狭いマンホールに垂らされたロープはまさに蜘蛛の糸。細いロープをよじ登り、吉田の顔にも朝日が差し込みます。ああこれで逃げおおせる、結婚式も何とかなる。安堵した表情の吉田がようやく辿り着いた地上で見たものは、この事態を画策した犯人・菜津美(演・黒木華)の姿でした。

 

すべては菜津美の計画通りで、なんと電話で話していた舞すら菜津美が演じていたと知り、腰を抜かす吉田。医療用メスを構えて攻撃してくる菜津美。超スピードで嘘と言い訳を繰り出す吉田。

 

菜津美「クラスで流行ってたカードが盗まれたの覚えてる? あのとき先生言ってたよね、盗んだものはちゃんと持ち主に返しましょうって」

 

盗んだもの(川村(真))!!!!!!!!!

怖!!!!!!!!!!!!!

 

当たり前に憎しみ全開の菜津美。ロングコートにブーツで武装した黒木華に誰が勝てるんだよ。無理だよ。終わりです。
さすがの吉田もそれは理解できるらしく、とうとう「警察に通報していいから、その前に今度生まれてくる赤ん坊を抱き締めたい」とか言い出す。
デキ婚だったの!??!?!?! 社長令嬢と!??!?!??!
破天荒すぎる追加情報だけど、吉田の命乞いとしてこれ以上のものはないなとも思う。吉田は吉田自身に一切の価値を感じてなくて、川村(偽)になることで満たされようとしていたわけだけど、最後にすがるのが取り替えようのない吉田の遺伝子情報を持った「子」なんだなあとか考えちゃった……。もはや吉田に残った吉田の部分ってそれくらいしかないんだよな。他人を手にかけるほど自分ではない誰かを羨んでいたのに、それでも最後にはやっぱり自分の存在を大切にしてしまうの、吉田が自覚しているとしたらきっと苦しい数年間だっただろうし、自覚していないなら川村(偽)をやる限りずっと吉田は満たされない。吉田の子どもが健やかに育てば多少変わるのだろうか。でも子どもが見るのは川村(偽)をやっている父親だから結局だめな気がする。詰んだ。解決策がない。
我々も川村(真)というマジもんの『光』を知っちゃったので、吉田の影がどんどんどんどん濃くなる。川村(真)は間違いなくいい奴なんですよ。「本当の俺のことなんて、覚えてないよな」とかひねくれてる吉田をちゃんと思い出してくれたわけだから。それなのにノータイムでブッ刺す吉田。人の話を聞け。そら菜津美に恨まれもするわ。『光』を奪うとろくなことにならないって各種神話も言ってるじゃん。全部吉田の自業自得……。

 

この男がそんなに好きか?

でもやっぱり川村俊介のビジュアルってすごくて、まだ見ぬ子どもに会うまでは死にたくないと涙する姿に奈津美もちょっと同情しちゃうんですよね。性格終わってると思ってた相手がいきなり人間味見せてくるのはずるいよ。雨の日に子犬拾う不良のやつだもん。それに菜津美は、理不尽に殺された恋人の復讐で動く真っ当な感情の持ち主ですからね。「子どもに会いたい」というごく自然な命乞いを理解できてしまうのは仕方のないことだと思います。
吉田に背を向ける菜津美。吉田の求める猶予を与えることにしたのか、それとも復讐自体を放棄したのか、とにかくさっきまでの憎しみからトーンダウンしている。犯した罪を自覚させ恐怖を味わせ、あとは自責の念とともに生きていきなさいルートに入ったっぽい雰囲気がめちゃ出ている。

たださあ、吉田は性格が終わってんのよ。

背後から飛びかかり、ネクタイを菜津美の首にひっかける吉田。そのまま荷物のように背負い、ギャンギャンに首を絞め上げる最低野郎。さっきまでの寂しく切ないムードに何も感じなかったのかお前は。
その上「この男がそんなに好きか? 死ぬ前にたっぷり見られてよかったな!」と笑うんだからもう何もかもだめ。
すげー当たり前のこと言うじゃん。それはそうじゃん。川村(真)と同じ容姿なんだからそりゃ菜津美は好きに決まってるじゃん!!!!!
そういうことは分かるのに何で人間関係の機微は分かんねえんだよ。ここで見逃してもらって奈津美に怯える人生を過ごすことで、川村(偽)から吉田としての自我取り戻すルートもあったかもしれないんだぞ。それをお前は、お前はー!!!!!

でも私、この台詞が作中で一番好きなんですよ。「この男」って言い回しがさあ、さっきの子ども問題と同じく、吉田にとって今の自分の姿は全然自分のものじゃないんだなって感じてしまって悲しくなる。その容姿に成り代わって就職して営業成績トップになって社長令嬢と結婚するところまで辿り着いても「この男」なんだね。いつまで経っても川村になれない吉田。それは当然のことなんだけど、それじゃあ何をどうしたら吉田は飢えを満たせるのかっていうね。飢えっぱなしの人生はつらいよ。もちろんそのために他者を傷つけていいわけは絶対にないけど、何の導きもないままどうにか頑張って自己解決してくださいってのも言われる側としてはきつい。道理が分かるから頷くしかないところも含めて。

 

あとこれは私の個人的な体験ですけど、「この男がそんなに好きか?」と言う役を中島裕翔さんが演じていることで、凄みの種類が一段階増えているんですよね。
そもそも好きな男から言われたすぎませんか?「この男がそんなに好きか?」って。好きだよ。めっちゃ好き。好きだからこの映画見てる。
私は好きなアイドルに蹂躙されたいタイプのオタクなので、圧倒的な高みから語りかけられると嬉しくなっちゃうんですよね。アイドルって彼らの仕事なので、映画やドラマに限らず、バラエティー番組であってもそこにあるのは戦略的に作り上げられた姿じゃないですか。そういった人の姿で「この男がそんなに好きか?」って言われると、こちらの受け取り方はもはや意識調査アンケートなんですよね。改めて目の前の男について考える機会が発生するというか。
改めて考えるとね、もっと好きになっちゃうんだなあ。
一人で静かにTwitterに感想投げてると好きが増幅されて頭がおかしくなりそうになった経験、みなさんもあるでしょう。この角度から見る鼻筋が好きとか、ここの声色が初めて聞いたとか、暗いところで光る白目の迫力とか、映画『#マンホール』だけでもこんなにたくさんある。
好きな男から「そんなに好きか?」と問い詰められるの、やっぱりなかなかできる体験ではない。ありがとうございます。
役柄と俳優の境界線を、意図的に曖昧にしている自覚はあるんですが、それでもそういう体験になっているのは事実なので、自分の記録として書いておきます。この自覚を失ったら本格的に終わりなので、そのときは皆さんが私にとどめを刺してください。


深淵

そんなわけでバチボコに調子に乗って菜津美までどうにかしようとする吉田ですけれども、頬をボウガンでブチ抜かれて再びマンホールに落下します。ボウガンでブチ抜かれた姿ってこの先見る機会ないと思う。ありがとうございます。
ボウガンをぶっ放したのは無実の同僚を血祭りに上げた深淵のプリンス。相変わらず行動力がすごい。他のところで活かせないか?
まあプリンスからすればね、ネットで見ていたのは「マンホール女」ですから、助けに行った先で男女が揉み合ってたらそりゃ女の方を助けるよね。ネカマなんてやってたせいで自滅するというインターネットあるあるに令和で再開するとは思わなかった。
マンホールにおかえりしてきた吉田は腕や脚が変な方向に曲がってて最高。なんか声も血でゴボゴボしてるし。川村(真)が刺されてビクンビクンしているところもそうなんだけど、こういう「人体としてあってはならないかたち」を表現されるのにめちゃくちゃ弱い。今後もお待ちしています。

 

一応自分が「マンホール女」だと主張するけど当然信じてもらえなくて、「君は誰だ?」と問われる吉田。
ここの返事が超よくて、「俺は……」で言葉を詰まらせるんですよ。俺が誰なのか言えないの。吉田には自分というものがない。主体性とかそういう曖昧なものではなく、マジで自分が何者なのか答えがないんでしょうね。菜津美への命乞いの中で言う「本当の俺のことなんて、覚えてないよな」としっかり対応していてめちゃくちゃよかった。
何なら深淵のプリンスも吉田の鏡写しみたいなもんですからね。深淵のプリンス、見た目から察するに中学生か下手したら小学校高学年なんですよ(コメンタリーで「設定上は中学生」という補足がありました)。そんな子どもが深夜にフラフラ出歩けるのってほぼ間違いなくネグレクトで、怪我して帰っても自分でマキロン塗るしかなかった吉田と近い境遇だし、吉田がカード盗んだけど犯人として疑われることさえなかったと嘆いた出来事も小学校時代の話だし。プリンス、すべての会話をSNS越しでしかしなくて声を発さないんですけど、その極端な没交渉ぶりも影の薄さと言えるだろうし、ここまで来ると「深淵」って「深淵(と書いてマンホールと読む)」ってことか!?まで考えちゃう。勝手な連想ゲームかもしれないけど、こういうこと考えられるのがすでに気持ちいいよ〜〜〜〜〜

とにかく吉田の「誰でもなさ」を最後まで維持していて、そのあたりがすっきり解決することなく終わるのがとても好きです。他人から忘れられていて,自分でも分からなくて、吉田を認識しているのは自分が殺してしまった男と自分を殺そうとする女だけという……。

 

吉田を残したままマンホールの蓋が閉められてエンドロールが流れるんですが、ここで聞こえる口笛が「上を向いて歩こう」なのめちゃくちゃ最悪。映画の途中でも吉田が同じ曲を口ずさんでて、選曲したのが中島裕翔さんだとコメンタリーで明かされているんですが、熊切監督がドン引きしててウケる。そりゃそうだよ。落ちる映画で「上を向いて歩こう」って悪趣味レベルが100じゃん。何をポジティブになってんだよ。人が死んでるんですけど!!!!
でもその最悪ポジティブが吉田だよな……この99分で分からされてしまった……。
加えて最後の最後で謎の鈍い音がして、吉田まだ生きてる!!!!!という恐怖が味わえる。あいつまだどうにかなる気でいる。まあ警察来るはずだし命は助かる可能性あるか。でも川村(真)の死体も見つかっちゃうよね。いや吉田だし何か上手いこと言うくらいのことはしそう……

 

この鈍い音が一体何なのかは明かされないので、吉田が生きてるかどうかは分かりません。
実際、先日公開された中島裕翔さんのインタビューでは、インタビュアーが「どうしようもなくなった吉田が自ら死を選んで頭を打ちつけたんだと思った」という解釈をしていました。

I was thinking that he’s down there, and that he’s given up and realized there is no way out, so he’s bashed his head against a rock to kill himself. 

nantejapan.com

この辺の自由度も面白いよね。他の感じ方をした人も絶対いると思うからいろいろ聞いてみたい。まあ私は「あの吉田が自分から死ぬとか絶対ない」派なんですけど。

 

とか言ってたら同記事で中島裕翔さんご本人がそんなこと言っててひっくり返った。解釈一致ありがとうございます……ここまで含めて最高の映画体験だよ……

 

当時の感想まとめ

ここから先は映画鑑賞当時の感想一覧です。この記事とだいたい同じことを言っていて統一感がありますね。

①2023年2月11日

 

②2023年2月25日

Twitter改めXはツリーに続きあり。

 

③2023年3月2日

 

④2023年3月26日

マンホールに落ちた新規の約3か月間の記録

2022年12月30日、Hey!Say!JUMPの15周年コンサートに行った。
有岡大貴さんが全宇宙の法則を支配したことによりJUMPのFCに入会した友人から誘われたのだ。

久しぶりの東京ドーム。

入場ゲートが何番なのかだけで1時間くらい話せるね、なんて笑いながら向かったのを覚えている。

なのに今、マンホールの底にいます。

 

■前提として

私はだいたい2004年くらいからジャニオタをしている。メインで追いかけているのは嵐とV6だが、ジャニオタなのでほかのグループもそれなりに楽しんでいる。
好きな男は増えるものという思想で生きているので、過去にもあっちこっちのコンを社会科見学したこともある。

例に漏れず、Hey!Say!JUMPもデビュー以来ずっと歌番組などでは目にしていた。
嵐の番組にゲストとして来てくれることもあったし、ワクワク学校も来てくれたし。何なら「Hey! Say!」の歌い出しは今でもネタとして使うし。

そんな私が2023年12月29日以前に触れたことのあるHey!Say!JUMPは次のとおり。

  • JUMP NO.1
  • JUMP WORLD
  • smart
  • JUMPing CAR
  • 「OVER」〜「Chau♯/我 I NEED YOU」のシングル8作品

リリース時に都度手に取っていたわけではなく、おおむね「Chau♯/我 I NEED YOU」のあたりで「いいじゃん!」となって、あれこれレンタルしたような気がする。(「愛すればもっと〜」のミュージックビデオ目当てでCDを買ったような記憶もある。サビの合いの手でyeahする中島裕翔さんがやたら可愛かった。)

私はミーハーなので、このグループだったら○○くんが好きかな〜みたいな話をよくするのだが、結構早い時点から中島裕翔さんの名前を挙げていたと思う。なぜなら背が高くて脚が長くてときどき妙なことを言うアイドルが好きだから。

また、これを書くにあたって思い出したのが、人生で一度だけ当選したカウコン(確か2012−2013)でタップダンスを披露する中島裕翔さんにギャー!となったこと。なぜならタップダンスのできる男が好きだから。

今にして思うと、わりと素地はあったように感じる。
ただ、あの頃から今までに私自身にいろんなことがあって、気にかける余裕がなかった。
そんなわけで特に何事もなく、テレビで見かけたら見るくらいの距離感を保っていた。

 

■東京ドームで目にしたもの

いざコンサートが始まると、オープニング映像でいきなり大変な目に遭った。
ネオンビカビカの雑居ビルをバックに派手なカラースーツとオープンカラーの柄シャツでいかにもな賭け事やってる姿を突然お出しされてひっくり返った。説明は省くが私に刺さる属性がてんこ盛りすぎた。取り乱した末、友人に向かって「中島裕翔九龍城編!!!!」と叫んだら指差して笑われた。(次の瞬間、友人はお花屋さんの有岡大貴さんでめちゃくちゃになった)

とはいえコンサートはどんどん進んでいき、知っている曲もたくさんやってくれたので、私の精神も次第に穏やかに楽しむ方にスイッチしていった。花道をゆっくり歩きながらピースひとつで3ブロックくらいを支配する山田涼介さんのスター性すごいな、とかね。

「群青ランナウェイ」のダンスと照明とモニターに映る横顔のシルエットで再びおかしくなりつつも、あの辺たしか怒涛のメドレーだったので自分が何を感じているのかよく分からないまま通過した。
正直セトリはあまり覚えていなくて、そのときに流れる1曲1曲を楽しく見ていた。知っている曲もそうでない曲もあったけど、どの瞬間も楽しかった。
双眼鏡も持っていたのでときどき使い、たまに見かける中島裕翔さんのファンサの細かさにびっくりもした。

そしてやってきたのが「Puppy Boo」である。

 

おいステッキ持ってる!!!!!!

 

前述の通り、タップダンスのできる男が好きなので、ステッキ振り回して踊る男が嫌いなわけがない。気絶しそうになりながら双眼鏡を構え、ヒイヒイ言いながら中島裕翔さんを見つめていたら何か突然停止なさったんですけど!?!?!?
え!??!?!
本人も呆然としてるが!!???!?!?!

目を見開いた顔かっわいい……

呆然かつきちんとおどけた表情で、アクシデント(マイクが倒れた?ステッキが飛んだ?)もしっかり見せ場にしている姿を目にしてしまってからは、もう中島裕翔さんばっかり眺めていた。
キラキラの完璧な笑顔では全然ないのにどうしてと思わないでもないが、でもアイドルってキラキラの完璧な笑顔じゃないところに惹かれるものだろうという気持ちもあって、いまだに心がまとまらない。

コンから帰宅してもあの顔が脳裏から離れなくて、何度も思い出して、日が変わって、カウコンを見て、2023年になった瞬間、JUMPのFCに入会した。


■映画「#マンホール」

FCに入会するとすぐ、連日のテレビ出演がお知らせされるようになった。
中島裕翔さんが主演を務める映画「#マンホール」の宣伝である。

本当に毎日どこかで姿を見るので、どんどんどんどん解像度が更新されていく。
何せほとんどのことを知らないので、目にするものすべてが新しい。情報の濁流に飲み込まれて溺れそうになりつつ、それが楽しかった。あまりの出演本数に、こんなに供給があっていいのかと不安になりさえした。

そして2月10日の公開日を迎え、結果として2月中に3回観た。

映画「#マンホール」は、私の好きなものがあまりにも多く詰まっていた。映画公式がネタバレ厳禁を謳っているので詳しいことは言えないが、こんな欲張りセットみたいなこともう二度とないと思う。私に都合がよすぎる。そんな映画だった。

まず作品として、仕掛けが細かく作り込まれているのが心地いい。
物語の着地するところとして、全然予想していなかったかと言われるとそんなことはないのだが、その結末に至る道筋が整っているので満足できる。
個人的にはネタバレ厳禁にしなくても楽しめると思うのだが、知らずに見たいという意見も分かる。ちなみにハラハラもドキドキもラブも邪悪も憐憫も全部ある。

あとは単純にキャラクター造形がドンピシャだった。
顔のいい男が酷い目に遭うと手を叩いて喜ぶ性質なので、将来を約束されたハイスペック男が泥と血にまみれていくのが最高。長身の男が狭いところで惨めに手足を縮こめているのも最高。次第に明かされていく川村(主人公)の薄暗さと矮小ぶりも最高。
この映画を見て以来、セロテープとホッチキスとマキロンの話を一生している。
「こういうシチュエーションが見たいな〜」の8割くらいが、この映画ひとつで満たされてしまった感じ。これはぼかした書き方だが、500万人の女を手玉にとってなお元カノに感謝を述べて微笑むことのできる男の芝居なんてそうそう見られるものではない。

何より、終盤の「この○がそんなに○○○? ○○前にたっぷり○○○○よかったな」という台詞とそのときの表情が好きで好きでたまらない。物語としてもそうだし、中島裕翔さんがその言葉を口にする意味を考えると脳が揺れ出す。
ここの話をするにはネタバレ必須なので、自分のスマホに感想をひたすら書き溜めている。円盤化して誰でも容易にアクセスできるようになったころ、改めて公開したい。

そしてもう一つ、映画「#マンホール」にまつわる動きとして外せないのがベルリン国際映画祭(ベルリナーレ)だろう。
私は映画にまったく詳しくないので、ベルリナーレに正式招待されることの意義を理解できているかはかなり怪しい。しかしベルリナーレに招待されたことで発生した国外メディアによる取材風景は、見る/読むことができてよかったと心から思う。
その最たるものが、『Variety』だ。

Are you still able to fit in both acting and singing?
――On stage, in front of fans, my role is to shine like a star. 

variety.com

初めて記事を読んだとき、この一文に衝撃を受けた。
『Variety』の取材は、リモートかつ英語で行われたという。つまりこの言葉は中島裕翔さんから出てきたそのままのものだということだ。
アイドルという職業は、ときにキャリアに対する枷やマイナスポイントとして語られることがある。私はそんな見方ぶっ飛ばしてやりたいと思っているけれど、実際にそう見る人がいるのも本当だ。
その事実は、アイドルを好きでいるとき常につきまとう引け目みたいなものだった。

しかしそのアイドルについて、"shine like a star"と綺麗な言葉で語ってくれたのは私にとって間違いなく救いだった。「救い」だなんてインターネットでは使い古された言い回しだけれど、実際に気持ちが軽くなったのだから仕方ない。

この一文を読んだ瞬間、全身がぐにゃぐにゃになって「この言葉にすべてを任せたい」と思った。


NHKドラマ10「大奥」

そして時期をほぼ同じくして、「大奥」も始まった。
「#マンホール」に対し、こちらの水野祐之進は完全に光属性の役柄だった。親切で健気でちょっと自己犠牲的で、それはそれはかわいらしい青年としての演技を堪能することができた。
1話で水野が退場してしまうのは残念だったが、作品として面白かったのでそのまま継続して視聴していた。

そして8話のカムバックでひっくり返ることになる。
おまえのような町娘がい……い…………いるかもしれないね……
アイシャドウがピンクでかわいいよ……矢絣に流水紋とかおしゃれさんだね、誰が仕立ててくれたんだい……上様かな……

私は好きな男の女装が大好きなので、喜ぶより先にTwitterで助けてと叫んだ。もはや命の危機だった。明日事故に遭うのかと怯えるくらい、私に都合がよすぎる演出。どう考えても新規に与えていい刺激じゃない。

2023年1〜3月で怒涛の供給を浴び、これはいよいよ逃げられないなと思った。
自分でやっていることに逃げるも何もないのだが、新たに誰かのファンになるときってものすごくエネルギーを使う。私は本当にこれが好きなのか?という疑いを跳ね除けるエネルギーだ。
ただそんなことを言ってる場合ではないほど、もっといろいろな姿を見たいと思う自分がいた。


■ここ最近見たもの

この3か月間で購入したものは次のとおり。

15周年を迎えたグループに対して、まだまだ追いついていないのはご容赦いただきたい。
オタクにも生活はある。

SorLまでの3作品は、ジャニーズらしいキラキラした演出がメインだなという感じ。みんなで並んで出てきて、たくさん手を振ってくれて、極力こちらから見えるように配慮されたステージだった。

それがPARADEで突然雰囲気変わったのでものすごくびっくりした。マジでどうしたんだという変貌ぶり。
コンセプチュアルであることに振り切っていて、特に説明もない。(あくまで映像作品中での話。当時の雑誌インタビューなどではいろいろ裏話があったのかもしれない)
人によっては胃もたれを起こすかもしれないなというくらい属性を積み上げたOP映像。モチーフを意図するものは想像できるが答えは明言されない。
これが最高だった。

個人的にショー要素の強いものが好きというのもあるが、何より「テーマをゴリゴリに表現したのであとはそちらで受け止めてください」という姿勢が好きだ。感情をかき乱される体験をしたくてアイドルを見つめているので、「ほら考えろ!」と言われると途端に食らいついてしまう。

そんなふうに凝視していたら、何やら複雑な機構が現れた。ムビステがどんどん斜めになり、柱に固定されたメンバーの体が観客の頭上を通り過ぎていく。浮遊してこそいないものの、ほとんどフライングだ。SUMMARY育ちの考える演出こわいよ!と思いながらパッケージ裏のセトリを眺める。「獣と薔薇」という曲らしい。なるほど、だから狼っぽい衣装なんだ。せっかくゴージャスな毛皮を背負っているのに柱固定なのはちょっともったいない気もするな……などと思っていたのも束の間。

 

中島裕翔さんかっっっっっこよすぎる

 

ドアップになった際の睨みでぶっ倒れた。たぶん終盤。ごめん中盤かも。でもとにかく「獣と薔薇」なのは間違いない。
中盤だか終盤だかはっきりしないのは、あまりに強烈な光景だったためにまだ1回しか映像を見てないから。このとき受けたインパクトを失うのが惜しくて、記憶をただ反芻している。そのくらいよかった。

こうなってくると、Fab!円盤を再販してくれという気持ちが育ってくる。あのPARADEの次に何がお出しされたのかを教えてくれ。
単純に、新規が直近のコンサート映像にアクセスできないのもったいなくないですか。とはいえ配信ライブだったということなので、一般流通させるのは確かに博打だよな〜
いずれ何らかの形で見られたらいいなと願っておきます。


■FILMUSIC

最新アルバム「FILMUSIC」の話もちょっとだけしておく。
全編にわたっておしゃれなアルバムだった。
ものすごく今さらなことを言うけど、ネガティブファイターの最初のサビからイントロの入りがおしゃれすぎてビビってる。マジで今さら。でも良いものはいいから……

youtu.be

 

アルバム曲だと「OH MY BUDDY」と「Change the world Y2K」も好き。
「OH MY BUDDY」は芝居がかった感じがたまらない。歌い方もそうだし、歌割りも声質とぴったり噛み合っててよかった。
「Change the world Y2K」は15周年曲としての完成度がすごい。やっぱり15年って長いので、その間に作ってきた楽曲の要素を盛り込まれると嬉しくなっちゃうよね。私ですらそうだったので、ずっと追いかけてきた人はなおさらだと思う。

ただ「ビターチョコレート」からの「君が見た一等星」の流れだけ急にエッジすごくない?
「好意ゆえに己を偽ってまで相手にあわせてしまう」話をしたあとに「たくさんのペンラの中の一粒として見守っています」と誓うって、あまりにもオタクをズタズタにする収録順でびっくりしちゃった。でもオタクって、アイドルがズタズタにしていい存在ですからね。ありがとうございます。

あと楽曲の話ではないんですが、アンサーソング会議で「チョコラタの反対はキャラメル」と言う中島裕翔さんで絶叫したのでここに書いておきます。
甘いものの反対で甘いものを指定することってあるんですね。考え方がサンリオピューロランド。キティちゃんか中島裕翔さんかみたいな感じでやってる?


■shine like a star

嵐が活動休止した2020年、V6が解散した2021年を経て、私はもう誰かのコンサートを見ることはないんだと思っていた。
それぞれの発表があってからは常に最後を意識して動いていたので、丸2年くらい空白を抱えて生きているような心もちだった。
彼らが歌っているからコンサートに行っていた私にとって、彼らの不在はそのまま音楽との離別だった。
実際、通勤時間に聴くものはヒーリングミュージックやクラシックなど、人間の声がしないものばかりになった。舞台や映画は見にいくけれど、どうしたってコンサート会場の熱狂とは異なる。私は相変わらず何らかのオタクだったが、生活は以前より穏やかになった。

そんな中で、Hey!Say!JUMPのコンサートに行く機会が生まれ、その結果こんな文章を書くまでの熱を抱いたのは、まさに星に引き寄せられたとしか言いようのない出来事だった。
その上、その人が"shine like a star"と口にするなんて、私にとっては奇跡みたいなことだ。

もちろん本人の意図は分からないし、もしかすると自身を奮い立たせるためのレトリックなのかもしれない。
それでも、単語がまとうきらめきは確実にある。
そのきらめきに目が眩んで、私は今この文章を書いている。